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第1部 基礎回路編 / 基礎理論

第1章 迷子のビットと数の回路

13番ゲートが10進数13を読めず停止する / 2進数を戻し、加算し、検算する力を得る / bit/byte、16進数、基数表記の混同で街の記憶が揺らぐ / 誤答理由まで説明し、入口ゲートを復旧する

Bit ナナ
浮遊する白いナビロボ Bit Bitが基礎理論の入口を開き、最初の考え方を示します。
巫女装束の見習い保守係 ナナ ナナが別の視点から、つまずきやすいポイントを拾います。
READY 演習量 110110 XP 全8話 基礎理論の単元別チャレンジ
第1話から読む第1話へ出撃 授業を確認作戦ノート 小テスト 章末確認章末任務

チャプター構成章ルート

会話、授業ノート、図解、例題、小テスト、章末確認を順番に進める第1話から章末任務まで、順番にプレイする

第1話

13番ゲートの沈黙

FE模試に失敗したナナは本試験まで30日、M-07の13番信号を理由ごと救うため13番ゲートへ来た。ビットの街の入口には、古い通信塔が立っていた。塔の表面には小さなランプが無数に並び、普段なら街に入るすべての信号を0と1の光に変えて送り出している。だが、その日は違った。塔の中央には赤い警告が浮かんでいた。

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ビットの街の入口には、古い通信塔が立っていた。塔の表面には小さなランプが無数に並び、普段なら街に入るすべての信号を0と1の光に変えて送り出している。だが、その日は違った。塔の中央には赤い警告が浮かんでいた。

Gate 13:信号変換不能

Bitは小さなアンテナを震わせながら、ナナの前に飛び出してきた。

「入口ゲートが止まりました。13番信号が読めません」

ナナは首をかしげた。

「13って、13でしょ? そのまま送ればいいんじゃないの?」

Bitは困ったように通信ランプを点滅させた。

「人間には13と読めます。でも、この街の回路は0と1しか読みません。13を、回路が読める形に変えないといけません」

ナナがゲートの前に近づくと、5つのランプが横に並んでいた。

16   8   4   2   1
□    □   □   □   □

「これ、何?」

「桁の重みです。2進数では、右から1、2、4、8、16……と重みが増えます。13を作るには、必要な重みのランプだけを点けます」

ナナは最初、13に近そうな16のランプを押そうとした。その瞬間、塔の奥から低い声が響いた。

> 考えるな。大きい数字を押せ。早く選べ。

ナナの指が止まる。アイリが背後から現れ、黒いジャケットの袖を払った。

「それはノイズ。焦らせる声には従わない。数字は分解して読む」

アイリは空中に式を書いた。

13 = 8 + 4 + 1

ナナは16のランプを見た。

「13に16は入らない。だから16は0」

次に8を見る。

「13に8は入る。残りは5。だから8は1」

次に4。

「5に4は入る。残りは1。だから4は1」

次に2。

「1に2は入らない。だから2は0」

最後に1。

「1に1は入る。残り0。だから1は1」

ランプはこうなった。

16   8   4   2   1
0    1   1   0   1

Bitが叫ぶ。

「01101。先頭の0を省けば、1101です」

ナナはゲートに入力した。

13₁₀ = 1101₂

通信塔の赤い警告が青に変わる。しかし、ゲートは完全には開かなかった。塔の下部から古いログが浮かび上がった。

過去ログ:
「2進数が分からない」
「どこから読めばいいのか分からない」
「解説を見ても、なぜ1101になるのか分からない」

ナナは胸の奥が少し重くなった。

「これ、誰のログ?」

Bitは答えなかった。アイリも、一瞬だけ目を伏せた。

「今は進もう。だけど覚えておいて。分からなかった人の記録は、ここに残っている」

ゲートが音を立てて開いた。ナナはノートに書いた。

数字は、重みに分ければ読める。
焦ったら、右から 1,2,4,8。

その文字が光った瞬間、通信塔の一部が復旧した。だが塔の影には、まだ黒いノイズが残っていた。

Story 4 ノート 5 チェック
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第2話

逆読みレーダー

番ゲートを開いた直後、通信塔の上部から細い光が空へ伸びた。青く復旧したはずの信号は、街の上空で一度だけ震え、次の表示へと変わった。 ナナは眉を寄せる。 「さっきは13を2進数にしたよね。今度は逆?」 Bitが頷いた。 「はい。回路が受け取った0と1の信号を、人間が読める数へ戻します。通信塔は、変換…

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13番ゲートを開いた直後、通信塔の上部から細い光が空へ伸びた。青く復旧したはずの信号は、街の上空で一度だけ震え、次の表示へと変わった。

入力信号:11010₂
要求:10進数へ復元せよ

ナナは眉を寄せる。

「さっきは13を2進数にしたよね。今度は逆?」

Bitが頷いた。

「はい。回路が受け取った0と1の信号を、人間が読める数へ戻します。通信塔は、変換だけでなく検算も要求しています」

塔の側面から巨大なレーダー盤がせり上がった。

16   8   4   2   1
 1   1   0   1   0

その下には、古い誤答ログが浮かんだ。

誤答ログ01:11010₂ = 1 + 1 + 0 + 1 + 0 = 3
誤答ログ02:左から1,2,4,8,16を付けて 11
誤答ログ03:0の桁まで足して 31

ナナは思わず声を出した。

「全部、なんか分かる気がする……」

アイリは静かに言った。

「正解だけを見れば簡単に見える。でも、どこで間違えるかを見ないと、次も同じ場所で止まる」

黒い影がレーダー盤の中央を走った。

> 戻す必要はない。選択肢の中から、それっぽい数字を選べ。

Bitの通信ランプが一瞬暗くなる。

「Nullのノイズです。正解率だけを上げようとする声です」

ナナは第1話で覚えたことを思い出した。

重みは右から 1,2,4,8,16...

右から重みを書く。

16  8  4  2  1
 1  1  0  1  0

「1の桁だけ足せばいいんだよね」

ナナは声に出して足した。

16 + 8 + 2 = 26

答えは26。レーダー盤が青く光ったが、まだ停止しない。

この答えを検算せよ。
26₁₀ を2進数へ戻せ。

ナナは少し笑った。

「戻して同じになればいいんだ」

26 = 16 + 8 + 2
16  8  4  2  1
 1  1  0  1  0

元の信号 11010₂ と同じ。 レーダー盤の古い誤答ログが一つずつ白い光に変わって消えた。

だが、消える直前、最後のログだけが言葉を残した。

「解説を読めば分かる。でも自分では戻せなかった」

ナナは黙ってノートに書いた。

2進数は、1の桁だけ足す。
変換したら、必ず戻す。
Lesson 4 ノート 5 チェック
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第3話

桁上がりの火花

逆読みレーダーが復旧した翌朝、ビットの街の北区画で小さな爆発が起きた。ナナが駆けつけると、そこには銀色の加算装置があった。装置の上には2本の入力ケーブルが伸びている。 中央には赤い警告が点滅していた。 Bitが震えながら説明する。 「この装置は、街のエネルギーを足し合わせる回路です。でも、1と1を…

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逆読みレーダーが復旧した翌朝、ビットの街の北区画で小さな爆発が起きた。ナナが駆けつけると、そこには銀色の加算装置があった。装置の上には2本の入力ケーブルが伸びている。

入力A:1011₂
入力B:0110₂

中央には赤い警告が点滅していた。

加算結果:異常
桁上がり処理:停止

Bitが震えながら説明する。

「この装置は、街のエネルギーを足し合わせる回路です。でも、1と1を足したときの桁上がりが処理できなくなっています」

ナナは首をかしげた。

「1 + 1 って、2じゃないの?」

「10進数なら2です。でも2進数では、使える数字が0と1だけです。だから、1+1は2ではなく、桁上がりして10になります」

アイリが空中に基本ルールを書いた。

0 + 0 = 0
0 + 1 = 1
1 + 0 = 1
1 + 1 = 10

ナナは右端から計算を始める。

  1011
+ 0110
------

一番右は 1+0=1。 次の桁は 1+1=10。下に0を書き、左へ1を繰り上げる。装置の中で小さな火花が飛んだ。

次の桁は、

0 + 1 + 繰り上がり1 = 10

また0を書き、左へ1を繰り上げる。 最後の桁は、

1 + 0 + 繰り上がり1 = 10

0を書き、さらに左へ1を繰り上げる。結果は、

10001₂

その瞬間、加算装置は青く光った。 だが、すぐに黒いノイズが割り込んだ。

> 面倒だ。10進数に直して足せ。2進数の桁上がりなど覚える必要はない。

ナナは一瞬迷った。

「10進数に直して足すのも、ありじゃないの?」

アイリは頷いた。

「検算としてはあり。でも、2進数の加算そのものを読めないと、CPUの演算、補数、オーバーフローで詰まる。ここは逃げちゃだめ」

装置の横には過去ログが焼き付いていた。

誤答ログ:
1011 + 0110 = 1111
理由:1+1の桁上がりを無視

ナナは胸が少し痛んだ。この間違いは、自分もやりそうだった。

「答えだけじゃなくて、どこで繰り上がったかを残さないといけない」

Traceが小さな紙テープを吐き出した。

carry: 0 → 1 → 1 → 1

最後に、ナナは検算した。

1011₂ = 11
0110₂ = 6
11 + 6 = 17
10001₂ = 17

一致。加算装置の火花は、暴走ではなく規則正しい光に変わった。 ただし装置の奥には、もう一つ警告が残っていた。

固定長4bitでの結果:0001
上位桁あふれを検出

ナナは表情を曇らせた。

「え、10001なのに、4bitだと0001になるの?」

アイリは真剣な顔で答えた。

「それが、次に来る危険。桁あふれ、オーバーフロー。今はまだ入口だけ覚えておいて」

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第4話

8ビット倉庫

加算装置の火花が収まったころ、街の東側にある記憶倉庫から緊急信号が届いた。 倉庫の扉には、赤い文字が走っている。 ナナたちが駆けつけると、倉庫の中には小さな箱が無数に並んでいた。箱の一つ一つには、0か1が書かれている。 「これ、全部bit?」 Bitが頷いた。 「はい。1つの箱が1bitです。0か…

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加算装置の火花が収まったころ、街の東側にある記憶倉庫から緊急信号が届いた。 倉庫の扉には、赤い文字が走っている。

容量不足
保存予定:画像データ
必要容量:計算不能

ナナたちが駆けつけると、倉庫の中には小さな箱が無数に並んでいた。箱の一つ一つには、0か1が書かれている。

「これ、全部bit?」

Bitが頷いた。

「はい。1つの箱が1bitです。0か1のどちらかを保存できます」

ナナは棚の奥を見た。8つのbit箱が、ひもで一つにまとめられている。

[0][1][1][0][1][0][0][1]

Traceが紙テープを吐き出す。

8 bit = 1 byte

ナナは声に出した。

「8bitで1byte。じゃあ、byteは8個分のbit箱ってこと?」

「その通りです」

そこへ、倉庫管理AIが壊れた声で告げた。

画像保存要求:
横300画素
縦200画素
1画素16bit
必要容量をbyteで求めよ

ナナはすぐに言った。

「300×200で60,000画素。だから60,000byte?」

その瞬間、倉庫の床が赤く光った。 倉庫の奥から黒いノイズが這い上がる。

> 画素数が分かれば十分だ。単位など見なくていい。

アイリが鋭く言った。

「違う。1画素が何bitかを見ていない」

ナナはハッとして問題文を読み直した。

1画素16bit

「1つの画素に16bit必要。だから、60,000画素に16bitを掛ける」

60,000 × 16 = 960,000 bit

Bitが続ける。

「でも聞かれているのはbyteです」

ナナは、倉庫の8bit箱を見た。

8bit = 1byte

だから、

960,000 ÷ 8 = 120,000 byte

倉庫の赤い光が一部だけ青に戻る。 しかし、扉はまだ閉じたままだった。

次の警告が表示される。

誤答候補を分類せよ。
ア 60,000 byte
イ 120,000 byte
ウ 960,000 byte
エ 1,920,000 byte

ナナは唇を噛んだ。

「アは画素数だけ。ウはbitのまま。エは……8で割るところを掛けた?」

アイリが頷く。

「そう。容量問題は、数字より単位を見る。bitかbyteか。ここを外すと、8倍ずれる」

倉庫の床に、過去のログが浮かんだ。

「計算は合っていた。でも単位を見落とした」
「byteを聞かれているのにbitで答えた」
「8で割るか掛けるか、最後に迷った」

ナナはそのログを見て、静かにノートを開いた。

容量問題:
個数 × 1個あたりbit
byteなら ÷8

Traceの紙テープが、今度は青く印字された。

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第5話

16進メモリの宝石箱

ビット倉庫の奥に開いた通路は、まるで宝石箱の中のようだった。壁には小さな札が並び、そこには0と1だけでなく、A、B、C、D、E、Fの文字が刻まれていた。 ナナは足を止めた。 「これ、数字なの? 文字なの?」 アイリが答える。 「16進数。0から9までの数字だけでは足りないから、10から15をAから…

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8ビット倉庫の奥に開いた通路は、まるで宝石箱の中のようだった。壁には小さな札が並び、そこには0と1だけでなく、A、B、C、D、E、Fの文字が刻まれていた。

A3
2D
FF
0F

ナナは足を止めた。

「これ、数字なの? 文字なの?」

アイリが答える。

「16進数。0から9までの数字だけでは足りないから、10から15をAからFで表す」

Bitが壁の札を照らした。

A=10
B=11
C=12
D=13
E=14
F=15

ナナは顔をしかめた。

「Fが15……。じゃあ、16は?」

「16進数では、16は 10₁₆ になる」

その瞬間、宝石箱の中央に問題が浮かんだ。

2進数 10111100 を16進数に変換せよ

Traceが紙テープを出した。

右から4桁ずつ区切る

ナナは2進数を区切った。

1011 1100

左の 1011 は、

8 + 2 + 1 = 11 = B

右の 1100 は、

8 + 4 = 12 = C

だから、

10111100₂ = BC₁₆

宝石の一つが青く光った。 だが、次の札が現れる。

2進数 101101 を16進数に変換せよ

ナナは左から区切ろうとした。

1011 01

その瞬間、黒い影が耳元で囁いた。

> 左から読めばいい。見たまま切れ。

アイリが即座に止めた。

「違う。桁の重みは右端が基準。16進数にするときも右から4桁」

ナナは区切り直した。

10 1101

左側が2桁しかない。Bitが言う。

「不足している左側は0で補います」

0010 1101
0010 = 2
1101 = D

したがって、

101101₂ = 2D₁₆

宝石箱の奥で、古いログが赤く光った。

誤答ログ:
101101₂ = B1
理由:左から4桁で区切った

ナナはログを見て、静かに頷いた。

「これも、分かる。左から切りたくなる。でも右からなんだ」

最後に、アイリが逆変換を出した。

A3₁₆ を2進数に戻せ

ナナは対応表を見た。

A = 1010
3 = 0011

だから、

A3₁₆ = 10100011₂

「3は0011。4bitにしないといけないんだね」

アイリは微笑んだ。

「そう。16進1桁は、必ず4bit」

宝石箱のすべての札が整列した。 だが、奥の棚には 0x10 と書かれた札が残っている。

ナナはそれを見てつぶやいた。

「また10……でも今度は、普通の10じゃない気がする」

Bitが頷いた。

「次は、基数表記の迷路です」

Lesson 4 ノート 6 チェック
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第6話

アドレス札を読み間違えるな

16進メモリの宝石箱を抜けると、細い通路の壁に無数の札が並んでいた。 ナナは札を見て、少し顔をしかめた。 「全部10に見えるんだけど……同じ場所?」 アイリは首を振った。 「同じに見えるから危ない。数字は、どの基数で書かれているかによって値が変わる」 Bitが一枚目の札を指した。 「これは2進数です。…

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16進メモリの宝石箱を抜けると、細い通路の壁に無数の札が並んでいた。

10
10₂
10₁₀
10₁₆
0x10

ナナは札を見て、少し顔をしかめた。

「全部10に見えるんだけど……同じ場所?」

アイリは首を振った。

「同じに見えるから危ない。数字は、どの基数で書かれているかによって値が変わる」

Bitが一枚目の札を指した。

10₂

「これは2進数です。値は2です」

ナナは計算する。

10₂ = 1×2 + 0 = 2₁₀

次にアイリが 10₁₀ を指す。

「これは普通の10進数。値は10」

そして最後に 0x10 の札を指した。

「プログラムや技術文書では、0x が付くと16進数を表すことが多い。だから 0x10 は16進数の10」

ナナは嫌な予感がした。

10₁₆ = 1×16 + 0 = 16₁₀

「つまり、同じ10でも、2、10、16になる?」

「そう」

その瞬間、通路の奥にある扉が開きかけたが、すぐに閉じた。扉には新しい問題が表示されている。

次のうち、最も大きい値を持つアドレス札を選べ。
ア:1010₂
イ:0x0B
ウ:12₁₀
エ:1001₂

黒いノイズが天井から滲んだ。

> 見た目で選べ。桁が多いものが大きい。

ナナは首を振った。 全部を10進数へ直す。

1010₂ = 8 + 2 = 10
0x0B = B₁₆ = 11
12₁₀ = 12
1001₂ = 8 + 1 = 9

最大は12。答えはウ。

扉が開く。アイリは満足そうに笑った。

「基数の問題で大事なのは、見た目じゃない。全部同じ基準に戻して比べること」

ナナは通路の札をもう一度見た。さっきまで全部同じに見えていた数字が、今は別々の意味を持つ記号に見える。

Bitが小さく言った。

「FEの選択肢は、この混同を狙ってきます」

ナナはノートに書いた。

数字を見る前に、基数を見る。
比較するときは、全部10進数に戻す。

その言葉を記録した瞬間、通路の札が正しく並び替わった。 アドレスの迷路は、もうただの数字の羅列ではなかった。基数を読める者だけが進める地図だった。

Lesson 4 ノート 5 チェック
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第7話

変換ミス修正室

アドレス札の通路を抜けると、ナナたちは小さな部屋に入った。中央には透明な検算ゲートが立っている。ゲートの上には、壊れた解答ログが浮かんでいた。 Bitが部屋の説明を読み上げる。 「ここは変換ミス修正室です。正解を選ぶだけでは通れません。なぜ他が違うかを説明する必要があります」 ナナは少し面倒そうに…

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アドレス札の通路を抜けると、ナナたちは小さな部屋に入った。中央には透明な検算ゲートが立っている。ゲートの上には、壊れた解答ログが浮かんでいた。

10進数 46 を2進数に変換せよ。
解答候補:
ア 101101
イ 101110
ウ 101111
エ 111010

Bitが部屋の説明を読み上げる。

「ここは変換ミス修正室です。正解を選ぶだけでは通れません。なぜ他が違うかを説明する必要があります」

ナナは少し面倒そうにした。

「正解が分かればいいんじゃないの?」

アイリが首を振った。

「過去問で安定して点を取るには、それじゃ弱い。選択肢は、よくあるミスで作られている。ミスの形を読めば、初見問題でも消せる」

ナナは46を重みで分解した。

32 16 8 4 2 1

46には32が入る。残り14。 16は入らない。 8は入る。残り6。 4は入る。残り2。 2は入る。残り0。 1は入らない。

32 16 8 4 2 1
 1  0 1 1 1 0

答えは、

101110₂

つまりイ。 ゲートはまだ開かない。

他の選択肢がなぜ違うか説明せよ。

ナナは候補を一つずつ10進数へ戻した。

ア 101101 = 32 + 8 + 4 + 1 = 45
イ 101110 = 32 + 8 + 4 + 2 = 46
ウ 101111 = 32 + 8 + 4 + 2 + 1 = 47
エ 111010 = 32 + 16 + 8 + 2 = 58

アイリが言う。

「アとウは、最後の1bitを間違えた候補。エは16の桁を誤ってONにした候補だね」

ナナは目を細めた。

「選択肢って、ランダムじゃないんだ」

「そう。作問者は、受験者のミスを知っている」

黒いノイズがゲートの裏で揺れた。

> 正解だけを選べばいい。理由など不要だ。

ナナは今度は迷わなかった。

「違う。理由が言えないと、次の問題でまた間違える」

ゲートに青い線が走る。

正解だけでなく、誤答の理由を説明できました。

扉が開いた。

Bitは嬉しそうに跳ねた。

「これで、ただの変換ではなく、検算による選択肢消去ができるようになりました」

ナナはノートに書く。

正解を出す。
候補を戻す。
誤答の理由を言う。

この部屋で学んだのは、数字の変換だけではなかった。 試験で失点しないための、冷静な確認の型だった。

Lesson 4 ノート 5 チェック
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第8話

入口ゲート復旧試験

通信塔、レーダー盤、加算装置、8ビット倉庫、16進メモリ、アドレス札の通路、変換ミス修正室。すべての復旧を終えたナナたちは、ビットの街の入口へ戻ってきた。 だが、最初に開いた13番ゲートの上には、まだ黒いノイズが残っていた。ノイズは、これまで学んだ数字を混ぜ合わせるように、空中へ問題を投げつけた。…

全文を読む

通信塔、レーダー盤、加算装置、8ビット倉庫、16進メモリ、アドレス札の通路、変換ミス修正室。すべての復旧を終えたナナたちは、ビットの街の入口へ戻ってきた。

だが、最初に開いた13番ゲートの上には、まだ黒いノイズが残っていた。ノイズは、これまで学んだ数字を混ぜ合わせるように、空中へ問題を投げつけた。

試験1:10進数 29 を2進数にせよ。
試験2:11001010₂ を16進数にせよ。
試験3:0x1F を10進数にせよ。
試験4:1画素24bit、横10×縦10画素の画像容量をbyteで求めよ。

Bitは不安そうにナナを見た。

「これは章末復旧試験です。ここを通らないと、次の補数区画へ進めません」

ナナは深呼吸した。最初に29を分解する。

16 8 4 2 1
29 = 16 + 8 + 4 + 1

だから、

29₁₀ = 11101₂

次に、11001010₂ を右から4桁で区切る。

1100 1010
1100 = C
1010 = A

だから、

11001010₂ = CA₁₆

次は 0x1F

1F₁₆ = 1×16 + 15 = 31

最後に容量計算。

10×10 = 100画素
1画素 = 24bit
100×24 = 2400bit
2400÷8 = 300byte

4つの答えを入力すると、ゲートが青く光った。 しかし、ノイズは最後の抵抗をした。

11001010₂ を16進数にしたものはどれか。
ア C6
イ CA
ウ AC
エ 0xAC

ナナは表を書いた。

11001010₂ = 1100 1010 = C A

候補を戻す。

C6 = 1100 0110
CA = 1100 1010
AC = 1010 1100
0xAC = 1010 1100

「正解はイ。ウとエは前後が逆。アは後半が違う」

ゲートが大きく開き始めた。 だが、黒いノイズが人の声のように歪んだ。

> 正解率:上昇 > 理解率:未測定 > 推奨:暗記モードへ移行

ナナは初めて、その声に怒りを覚えた。

「違う。私は、選びたいんじゃない。分かって選べるようになりたい」

アイリが静かに頷いた。

「それが、この街の入口を本当に開く条件」

Traceがこれまでの記録を並べた。

重みを書く。
右から読む。
単位を見る。
4bitで区切る。
基数を見る。
候補を戻す。
誤答理由を言う。

Bitの通信ランプが、これまでで一番明るく光った。

「第1章、復旧完了。次は、負の数をどう表すか。符号の影と補数の迷宮です」

ゲートの向こうには、反転したビット列が影のように揺れていた。 そして、その影の中で、Bitによく似た黒い小さなロボットが振り返った。

0011 → 1100 → 1101
Mission 4 ノート 6 チェック
第8話を読む第8話をプレイする

授業ロード

章内の各話で扱う考え方を、短い手順として先に見渡します。

1 導入

基礎理論をゼロからつかむ

2進数、ビット、基数変換は、コンピュータが情報をどう数えるかの入口です。 数字・集合・論理を、コンピュータが扱える形へ置き換える単元です。

2 見取り図

何を見ればよいか

重み、条件、全体と部分を先に書き、式や図へ変換してから選択肢を見ます。

3 図解

重みで分ける

2進数の各桁は右から 1, 2, 4, 8... の重みを持ちます。10進数は、この重みの足し算で表せます。

4 例題

大きい桁から試す

13なら、まず8を使う。残り5に4を使う。残り1に1を使う。だから 8,4,1 の桁が1になります。 手を止めず、途中式や表を1つ残してから答えを選びます。

5 ミス回避

戻して確認する

記号だけを暗記すると、基数変換や集合の境界で1つずれます。 1101 は 8+4+0+1 = 13。変換した後は、必ず戻して確認するとミスが減ります。

6 試験接続

過去問での使いどころ

問題文に2進、論理式、確率、集合が出たら、まず小さな表か図に戻します。 最後にミニゲームで同じ考え方を使い、過去問へ橋渡しします。

この章で確認すること

1自分の言葉で「2進数、ビット、基数変換は、コンピュータが情報をどう数えるかの入口です。」を1文で説明できる。

2問題文を見たとき、重み、条件、全体と部分を先に書き、式や図へ変換してから選択肢を見ます。 と判断して手を動かせる。

3よくあるミスとして「記号だけを暗記すると、基数変換や集合の境界で1つずれます。」を避けられる。

図解ノート

基礎理論は、問題文を図・表・流れに置き換えると、暗記より安定して得点できます。

重みの分解図

大きい桁から使える重みを選び、最後に足し戻して検算します。

Answer 1101

8+4+1

Mission Prompt

ランプを点けて桁の重みを選ぶ

通信塔のロック番号 13 を2進数に変換してください。

例題ラボ

正解だけでなく、途中の根拠を残す練習です。

13を2進数にする

10進数 13 を、8・4・2・1 の4つのランプで表してください。

  1. 13に入る一番大きい重みは8なので、8のランプをONにする。
  2. 残りは5。4が入るので4のランプもONにする。
  3. 残りは1。2は入らないのでOFF、1はONにする。
1101: 8 + 4 + 1 = 13
13 8 ON 残り5 4 ON 残り1 2 OFF 1 ON

左からではなく右から読む

2進数の重みは右から 1,2,4,8。1101を 1+1+0+1 と読まないようにします。

残りを毎回引く

13から8を引いて5、5から4を引いて1。残りを書けば、2を誤ってONにしにくくなります。

戻して検算する

答えを出したら 8+4+0+1 に戻します。検算できる形にしてから選択肢を選びます。

12進数の桁の重みを右から4つ言う。

210進数 11 を 8・4・2・1 のランプで表す。

31101 が 13 になる理由を足し算で説明する。

章内チェック

ミニゲームの前に、この章だけを短く確認する章末任務の前に、5問でコマンドを確認する

Q1 例題

10進数 13 を、8・4・2・1 の4つのランプで表してください。

1101: 8 + 4 + 1 = 13

Q2 図解

過去問で迷ったとき、まず戻るべき見取り図はどれですか?

重みの分解図へ戻り、大きい桁から使える重みを選び、最後に足し戻して検算します。

Q3 誤答回避

「左からではなく右から読む」を避ける行動として最もよいものは?

2進数の重みは右から 1,2,4,8。1101を 1+1+0+1 と読まないようにします。

Q4 誤答回避

「残りを毎回引く」を避ける行動として最もよいものは?

13から8を引いて5、5から4を引いて1。残りを書けば、2を誤ってONにしにくくなります。

Q5 誤答回避

「戻して検算する」を避ける行動として最もよいものは?

答えを出したら 8+4+0+1 に戻します。検算できる形にしてから選択肢を選びます。

未採点

章末ミニゲーム

物語と小テストまで進めたら、ここで理解度を確認して章完了物語と小テストを越えたら、ここで正解して章クリア

ランプを点けて桁の重みを選ぶ

通信塔のロック番号 13 を2進数に変換してください。

勝利条件: 条件を満たす答えを選ぶと章クリア。基礎理論の単元別演習が進めやすくなります。

過去問接続解放後の演習ルート

章の手順を、本番形式へ移すための復習ルートです。

接続メモ

科目Aでは、問題文の中から「基礎理論」の合図を拾うことが最初の得点源です。

問題文に2進、論理式、確率、集合が出たら、まず小さな表か図に戻します。

迷ったら、用語の暗記ではなく、章で使った図・表・手順へ戻します。

クリア後は単元10問で、同じ考え方が別の過去問でも使えるか確認します。

練度ラダー

Lv.1

用語を言える

まず「基礎理論」で何を扱うかを、自分の言葉で一文にします。

Lv.2

図に戻せる

重み、条件、全体と部分を先に書き、式や図へ変換してから選択肢を見ます。

Lv.3

例題を説明できる

作る答えの理由を、選択肢を見る前に途中式・表・ログで説明します。

Lv.4

ひっかけを避ける

記号だけを暗記すると、基数変換や集合の境界で1つずれます。

Lv.5

過去問へ移す

章クリア後に単元10問を解き、同じ考え方が別の文章でも使えるか確認します。

本番ドリル

30秒チェック

問題文から「基礎理論」の合図を1つ抜き出し、使う図を決める。

根拠メモ

答えを選ぶ前に、根拠を1行だけ書く。根拠が書けない時は図解ノートへ戻る。

誤答つぶし

「1011」がなぜ違うかを説明する。消去法の理由まで言えたら本番で強いです。

科目A接続

最後に過去問の文章へ戻り、章のミニゲームと同じ判断手順で解けるか試します。