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第1部 基礎回路編 / 基礎理論
13番ゲートが10進数13を読めず停止する / 2進数を戻し、加算し、検算する力を得る / bit/byte、16進数、基数表記の混同で街の記憶が揺らぐ / 誤答理由まで説明し、入口ゲートを復旧する
会話、授業ノート、図解、例題、小テスト、章末確認を順番に進める第1話から章末任務まで、順番にプレイする
FE模試に失敗したナナは本試験まで30日、M-07の13番信号を理由ごと救うため13番ゲートへ来た。ビットの街の入口には、古い通信塔が立っていた。塔の表面には小さなランプが無数に並び、普段なら街に入るすべての信号を0と1の光に変えて送り出している。だが、その日は違った。塔の中央には赤い警告が浮かんでいた。
ビットの街の入口には、古い通信塔が立っていた。塔の表面には小さなランプが無数に並び、普段なら街に入るすべての信号を0と1の光に変えて送り出している。だが、その日は違った。塔の中央には赤い警告が浮かんでいた。
Gate 13:信号変換不能Bitは小さなアンテナを震わせながら、ナナの前に飛び出してきた。
「入口ゲートが止まりました。13番信号が読めません」
ナナは首をかしげた。
「13って、13でしょ? そのまま送ればいいんじゃないの?」
Bitは困ったように通信ランプを点滅させた。
「人間には13と読めます。でも、この街の回路は0と1しか読みません。13を、回路が読める形に変えないといけません」
ナナがゲートの前に近づくと、5つのランプが横に並んでいた。
16 8 4 2 1
□ □ □ □ □「これ、何?」
「桁の重みです。2進数では、右から1、2、4、8、16……と重みが増えます。13を作るには、必要な重みのランプだけを点けます」
ナナは最初、13に近そうな16のランプを押そうとした。その瞬間、塔の奥から低い声が響いた。
> 考えるな。大きい数字を押せ。早く選べ。
ナナの指が止まる。アイリが背後から現れ、黒いジャケットの袖を払った。
「それはノイズ。焦らせる声には従わない。数字は分解して読む」
アイリは空中に式を書いた。
13 = 8 + 4 + 1ナナは16のランプを見た。
「13に16は入らない。だから16は0」
次に8を見る。
「13に8は入る。残りは5。だから8は1」
次に4。
「5に4は入る。残りは1。だから4は1」
次に2。
「1に2は入らない。だから2は0」
最後に1。
「1に1は入る。残り0。だから1は1」
ランプはこうなった。
16 8 4 2 1
0 1 1 0 1Bitが叫ぶ。
「01101。先頭の0を省けば、1101です」
ナナはゲートに入力した。
13₁₀ = 1101₂通信塔の赤い警告が青に変わる。しかし、ゲートは完全には開かなかった。塔の下部から古いログが浮かび上がった。
過去ログ:
「2進数が分からない」
「どこから読めばいいのか分からない」
「解説を見ても、なぜ1101になるのか分からない」ナナは胸の奥が少し重くなった。
「これ、誰のログ?」
Bitは答えなかった。アイリも、一瞬だけ目を伏せた。
「今は進もう。だけど覚えておいて。分からなかった人の記録は、ここに残っている」
ゲートが音を立てて開いた。ナナはノートに書いた。
数字は、重みに分ければ読める。
焦ったら、右から 1,2,4,8。その文字が光った瞬間、通信塔の一部が復旧した。だが塔の影には、まだ黒いノイズが残っていた。
番ゲートを開いた直後、通信塔の上部から細い光が空へ伸びた。青く復旧したはずの信号は、街の上空で一度だけ震え、次の表示へと変わった。 ナナは眉を寄せる。 「さっきは13を2進数にしたよね。今度は逆?」 Bitが頷いた。 「はい。回路が受け取った0と1の信号を、人間が読める数へ戻します。通信塔は、変換…
13番ゲートを開いた直後、通信塔の上部から細い光が空へ伸びた。青く復旧したはずの信号は、街の上空で一度だけ震え、次の表示へと変わった。
入力信号:11010₂
要求:10進数へ復元せよナナは眉を寄せる。
「さっきは13を2進数にしたよね。今度は逆?」
Bitが頷いた。
「はい。回路が受け取った0と1の信号を、人間が読める数へ戻します。通信塔は、変換だけでなく検算も要求しています」
塔の側面から巨大なレーダー盤がせり上がった。
16 8 4 2 1
1 1 0 1 0その下には、古い誤答ログが浮かんだ。
誤答ログ01:11010₂ = 1 + 1 + 0 + 1 + 0 = 3
誤答ログ02:左から1,2,4,8,16を付けて 11
誤答ログ03:0の桁まで足して 31ナナは思わず声を出した。
「全部、なんか分かる気がする……」
アイリは静かに言った。
「正解だけを見れば簡単に見える。でも、どこで間違えるかを見ないと、次も同じ場所で止まる」
黒い影がレーダー盤の中央を走った。
> 戻す必要はない。選択肢の中から、それっぽい数字を選べ。
Bitの通信ランプが一瞬暗くなる。
「Nullのノイズです。正解率だけを上げようとする声です」
ナナは第1話で覚えたことを思い出した。
重みは右から 1,2,4,8,16...右から重みを書く。
16 8 4 2 1
1 1 0 1 0「1の桁だけ足せばいいんだよね」
ナナは声に出して足した。
16 + 8 + 2 = 26答えは26。レーダー盤が青く光ったが、まだ停止しない。
この答えを検算せよ。
26₁₀ を2進数へ戻せ。ナナは少し笑った。
「戻して同じになればいいんだ」
26 = 16 + 8 + 2
16 8 4 2 1
1 1 0 1 0元の信号 11010₂ と同じ。 レーダー盤の古い誤答ログが一つずつ白い光に変わって消えた。
だが、消える直前、最後のログだけが言葉を残した。
「解説を読めば分かる。でも自分では戻せなかった」ナナは黙ってノートに書いた。
2進数は、1の桁だけ足す。
変換したら、必ず戻す。逆読みレーダーが復旧した翌朝、ビットの街の北区画で小さな爆発が起きた。ナナが駆けつけると、そこには銀色の加算装置があった。装置の上には2本の入力ケーブルが伸びている。 中央には赤い警告が点滅していた。 Bitが震えながら説明する。 「この装置は、街のエネルギーを足し合わせる回路です。でも、1と1を…
逆読みレーダーが復旧した翌朝、ビットの街の北区画で小さな爆発が起きた。ナナが駆けつけると、そこには銀色の加算装置があった。装置の上には2本の入力ケーブルが伸びている。
入力A:1011₂
入力B:0110₂中央には赤い警告が点滅していた。
加算結果:異常
桁上がり処理:停止Bitが震えながら説明する。
「この装置は、街のエネルギーを足し合わせる回路です。でも、1と1を足したときの桁上がりが処理できなくなっています」
ナナは首をかしげた。
「1 + 1 って、2じゃないの?」
「10進数なら2です。でも2進数では、使える数字が0と1だけです。だから、1+1は2ではなく、桁上がりして10になります」
アイリが空中に基本ルールを書いた。
0 + 0 = 0
0 + 1 = 1
1 + 0 = 1
1 + 1 = 10ナナは右端から計算を始める。
1011
+ 0110
------一番右は 1+0=1。 次の桁は 1+1=10。下に0を書き、左へ1を繰り上げる。装置の中で小さな火花が飛んだ。
次の桁は、
0 + 1 + 繰り上がり1 = 10また0を書き、左へ1を繰り上げる。 最後の桁は、
1 + 0 + 繰り上がり1 = 100を書き、さらに左へ1を繰り上げる。結果は、
10001₂その瞬間、加算装置は青く光った。 だが、すぐに黒いノイズが割り込んだ。
> 面倒だ。10進数に直して足せ。2進数の桁上がりなど覚える必要はない。
ナナは一瞬迷った。
「10進数に直して足すのも、ありじゃないの?」
アイリは頷いた。
「検算としてはあり。でも、2進数の加算そのものを読めないと、CPUの演算、補数、オーバーフローで詰まる。ここは逃げちゃだめ」
装置の横には過去ログが焼き付いていた。
誤答ログ:
1011 + 0110 = 1111
理由:1+1の桁上がりを無視ナナは胸が少し痛んだ。この間違いは、自分もやりそうだった。
「答えだけじゃなくて、どこで繰り上がったかを残さないといけない」
Traceが小さな紙テープを吐き出した。
carry: 0 → 1 → 1 → 1最後に、ナナは検算した。
1011₂ = 11
0110₂ = 6
11 + 6 = 17
10001₂ = 17一致。加算装置の火花は、暴走ではなく規則正しい光に変わった。 ただし装置の奥には、もう一つ警告が残っていた。
固定長4bitでの結果:0001
上位桁あふれを検出ナナは表情を曇らせた。
「え、10001なのに、4bitだと0001になるの?」
アイリは真剣な顔で答えた。
「それが、次に来る危険。桁あふれ、オーバーフロー。今はまだ入口だけ覚えておいて」
加算装置の火花が収まったころ、街の東側にある記憶倉庫から緊急信号が届いた。 倉庫の扉には、赤い文字が走っている。 ナナたちが駆けつけると、倉庫の中には小さな箱が無数に並んでいた。箱の一つ一つには、0か1が書かれている。 「これ、全部bit?」 Bitが頷いた。 「はい。1つの箱が1bitです。0か…
加算装置の火花が収まったころ、街の東側にある記憶倉庫から緊急信号が届いた。 倉庫の扉には、赤い文字が走っている。
容量不足
保存予定:画像データ
必要容量:計算不能ナナたちが駆けつけると、倉庫の中には小さな箱が無数に並んでいた。箱の一つ一つには、0か1が書かれている。
「これ、全部bit?」
Bitが頷いた。
「はい。1つの箱が1bitです。0か1のどちらかを保存できます」
ナナは棚の奥を見た。8つのbit箱が、ひもで一つにまとめられている。
[0][1][1][0][1][0][0][1]Traceが紙テープを吐き出す。
8 bit = 1 byteナナは声に出した。
「8bitで1byte。じゃあ、byteは8個分のbit箱ってこと?」
「その通りです」
そこへ、倉庫管理AIが壊れた声で告げた。
画像保存要求:
横300画素
縦200画素
1画素16bit
必要容量をbyteで求めよナナはすぐに言った。
「300×200で60,000画素。だから60,000byte?」
その瞬間、倉庫の床が赤く光った。 倉庫の奥から黒いノイズが這い上がる。
> 画素数が分かれば十分だ。単位など見なくていい。
アイリが鋭く言った。
「違う。1画素が何bitかを見ていない」
ナナはハッとして問題文を読み直した。
1画素16bit「1つの画素に16bit必要。だから、60,000画素に16bitを掛ける」
60,000 × 16 = 960,000 bitBitが続ける。
「でも聞かれているのはbyteです」
ナナは、倉庫の8bit箱を見た。
8bit = 1byteだから、
960,000 ÷ 8 = 120,000 byte倉庫の赤い光が一部だけ青に戻る。 しかし、扉はまだ閉じたままだった。
次の警告が表示される。
誤答候補を分類せよ。
ア 60,000 byte
イ 120,000 byte
ウ 960,000 byte
エ 1,920,000 byteナナは唇を噛んだ。
「アは画素数だけ。ウはbitのまま。エは……8で割るところを掛けた?」
アイリが頷く。
「そう。容量問題は、数字より単位を見る。bitかbyteか。ここを外すと、8倍ずれる」
倉庫の床に、過去のログが浮かんだ。
「計算は合っていた。でも単位を見落とした」
「byteを聞かれているのにbitで答えた」
「8で割るか掛けるか、最後に迷った」ナナはそのログを見て、静かにノートを開いた。
容量問題:
個数 × 1個あたりbit
byteなら ÷8Traceの紙テープが、今度は青く印字された。
ビット倉庫の奥に開いた通路は、まるで宝石箱の中のようだった。壁には小さな札が並び、そこには0と1だけでなく、A、B、C、D、E、Fの文字が刻まれていた。 ナナは足を止めた。 「これ、数字なの? 文字なの?」 アイリが答える。 「16進数。0から9までの数字だけでは足りないから、10から15をAから…
8ビット倉庫の奥に開いた通路は、まるで宝石箱の中のようだった。壁には小さな札が並び、そこには0と1だけでなく、A、B、C、D、E、Fの文字が刻まれていた。
A3
2D
FF
0Fナナは足を止めた。
「これ、数字なの? 文字なの?」
アイリが答える。
「16進数。0から9までの数字だけでは足りないから、10から15をAからFで表す」
Bitが壁の札を照らした。
A=10
B=11
C=12
D=13
E=14
F=15ナナは顔をしかめた。
「Fが15……。じゃあ、16は?」
「16進数では、16は 10₁₆ になる」
その瞬間、宝石箱の中央に問題が浮かんだ。
2進数 10111100 を16進数に変換せよTraceが紙テープを出した。
右から4桁ずつ区切るナナは2進数を区切った。
1011 1100左の 1011 は、
8 + 2 + 1 = 11 = B右の 1100 は、
8 + 4 = 12 = Cだから、
10111100₂ = BC₁₆宝石の一つが青く光った。 だが、次の札が現れる。
2進数 101101 を16進数に変換せよナナは左から区切ろうとした。
1011 01その瞬間、黒い影が耳元で囁いた。
> 左から読めばいい。見たまま切れ。
アイリが即座に止めた。
「違う。桁の重みは右端が基準。16進数にするときも右から4桁」
ナナは区切り直した。
10 1101左側が2桁しかない。Bitが言う。
「不足している左側は0で補います」
0010 11010010 = 2
1101 = Dしたがって、
101101₂ = 2D₁₆宝石箱の奥で、古いログが赤く光った。
誤答ログ:
101101₂ = B1
理由:左から4桁で区切ったナナはログを見て、静かに頷いた。
「これも、分かる。左から切りたくなる。でも右からなんだ」
最後に、アイリが逆変換を出した。
A3₁₆ を2進数に戻せナナは対応表を見た。
A = 1010
3 = 0011だから、
A3₁₆ = 10100011₂「3は0011。4bitにしないといけないんだね」
アイリは微笑んだ。
「そう。16進1桁は、必ず4bit」
宝石箱のすべての札が整列した。 だが、奥の棚には 0x10 と書かれた札が残っている。
ナナはそれを見てつぶやいた。
「また10……でも今度は、普通の10じゃない気がする」
Bitが頷いた。
「次は、基数表記の迷路です」
16進メモリの宝石箱を抜けると、細い通路の壁に無数の札が並んでいた。 ナナは札を見て、少し顔をしかめた。 「全部10に見えるんだけど……同じ場所?」 アイリは首を振った。 「同じに見えるから危ない。数字は、どの基数で書かれているかによって値が変わる」 Bitが一枚目の札を指した。 「これは2進数です。…
16進メモリの宝石箱を抜けると、細い通路の壁に無数の札が並んでいた。
10
10₂
10₁₀
10₁₆
0x10ナナは札を見て、少し顔をしかめた。
「全部10に見えるんだけど……同じ場所?」
アイリは首を振った。
「同じに見えるから危ない。数字は、どの基数で書かれているかによって値が変わる」
Bitが一枚目の札を指した。
10₂「これは2進数です。値は2です」
ナナは計算する。
10₂ = 1×2 + 0 = 2₁₀次にアイリが 10₁₀ を指す。
「これは普通の10進数。値は10」
そして最後に 0x10 の札を指した。
「プログラムや技術文書では、0x が付くと16進数を表すことが多い。だから 0x10 は16進数の10」
ナナは嫌な予感がした。
10₁₆ = 1×16 + 0 = 16₁₀「つまり、同じ10でも、2、10、16になる?」
「そう」
その瞬間、通路の奥にある扉が開きかけたが、すぐに閉じた。扉には新しい問題が表示されている。
次のうち、最も大きい値を持つアドレス札を選べ。
ア:1010₂
イ:0x0B
ウ:12₁₀
エ:1001₂黒いノイズが天井から滲んだ。
> 見た目で選べ。桁が多いものが大きい。
ナナは首を振った。 全部を10進数へ直す。
1010₂ = 8 + 2 = 10
0x0B = B₁₆ = 11
12₁₀ = 12
1001₂ = 8 + 1 = 9最大は12。答えはウ。
扉が開く。アイリは満足そうに笑った。
「基数の問題で大事なのは、見た目じゃない。全部同じ基準に戻して比べること」
ナナは通路の札をもう一度見た。さっきまで全部同じに見えていた数字が、今は別々の意味を持つ記号に見える。
Bitが小さく言った。
「FEの選択肢は、この混同を狙ってきます」
ナナはノートに書いた。
数字を見る前に、基数を見る。
比較するときは、全部10進数に戻す。その言葉を記録した瞬間、通路の札が正しく並び替わった。 アドレスの迷路は、もうただの数字の羅列ではなかった。基数を読める者だけが進める地図だった。
アドレス札の通路を抜けると、ナナたちは小さな部屋に入った。中央には透明な検算ゲートが立っている。ゲートの上には、壊れた解答ログが浮かんでいた。 Bitが部屋の説明を読み上げる。 「ここは変換ミス修正室です。正解を選ぶだけでは通れません。なぜ他が違うかを説明する必要があります」 ナナは少し面倒そうに…
アドレス札の通路を抜けると、ナナたちは小さな部屋に入った。中央には透明な検算ゲートが立っている。ゲートの上には、壊れた解答ログが浮かんでいた。
10進数 46 を2進数に変換せよ。
解答候補:
ア 101101
イ 101110
ウ 101111
エ 111010Bitが部屋の説明を読み上げる。
「ここは変換ミス修正室です。正解を選ぶだけでは通れません。なぜ他が違うかを説明する必要があります」
ナナは少し面倒そうにした。
「正解が分かればいいんじゃないの?」
アイリが首を振った。
「過去問で安定して点を取るには、それじゃ弱い。選択肢は、よくあるミスで作られている。ミスの形を読めば、初見問題でも消せる」
ナナは46を重みで分解した。
32 16 8 4 2 146には32が入る。残り14。 16は入らない。 8は入る。残り6。 4は入る。残り2。 2は入る。残り0。 1は入らない。
32 16 8 4 2 1
1 0 1 1 1 0答えは、
101110₂つまりイ。 ゲートはまだ開かない。
他の選択肢がなぜ違うか説明せよ。ナナは候補を一つずつ10進数へ戻した。
ア 101101 = 32 + 8 + 4 + 1 = 45
イ 101110 = 32 + 8 + 4 + 2 = 46
ウ 101111 = 32 + 8 + 4 + 2 + 1 = 47
エ 111010 = 32 + 16 + 8 + 2 = 58アイリが言う。
「アとウは、最後の1bitを間違えた候補。エは16の桁を誤ってONにした候補だね」
ナナは目を細めた。
「選択肢って、ランダムじゃないんだ」
「そう。作問者は、受験者のミスを知っている」
黒いノイズがゲートの裏で揺れた。
> 正解だけを選べばいい。理由など不要だ。
ナナは今度は迷わなかった。
「違う。理由が言えないと、次の問題でまた間違える」
ゲートに青い線が走る。
正解だけでなく、誤答の理由を説明できました。扉が開いた。
Bitは嬉しそうに跳ねた。
「これで、ただの変換ではなく、検算による選択肢消去ができるようになりました」
ナナはノートに書く。
正解を出す。
候補を戻す。
誤答の理由を言う。この部屋で学んだのは、数字の変換だけではなかった。 試験で失点しないための、冷静な確認の型だった。
通信塔、レーダー盤、加算装置、8ビット倉庫、16進メモリ、アドレス札の通路、変換ミス修正室。すべての復旧を終えたナナたちは、ビットの街の入口へ戻ってきた。 だが、最初に開いた13番ゲートの上には、まだ黒いノイズが残っていた。ノイズは、これまで学んだ数字を混ぜ合わせるように、空中へ問題を投げつけた。…
通信塔、レーダー盤、加算装置、8ビット倉庫、16進メモリ、アドレス札の通路、変換ミス修正室。すべての復旧を終えたナナたちは、ビットの街の入口へ戻ってきた。
だが、最初に開いた13番ゲートの上には、まだ黒いノイズが残っていた。ノイズは、これまで学んだ数字を混ぜ合わせるように、空中へ問題を投げつけた。
試験1:10進数 29 を2進数にせよ。
試験2:11001010₂ を16進数にせよ。
試験3:0x1F を10進数にせよ。
試験4:1画素24bit、横10×縦10画素の画像容量をbyteで求めよ。Bitは不安そうにナナを見た。
「これは章末復旧試験です。ここを通らないと、次の補数区画へ進めません」
ナナは深呼吸した。最初に29を分解する。
16 8 4 2 1
29 = 16 + 8 + 4 + 1だから、
29₁₀ = 11101₂次に、11001010₂ を右から4桁で区切る。
1100 10101100 = C
1010 = Aだから、
11001010₂ = CA₁₆次は 0x1F。
1F₁₆ = 1×16 + 15 = 31最後に容量計算。
10×10 = 100画素
1画素 = 24bit
100×24 = 2400bit
2400÷8 = 300byte4つの答えを入力すると、ゲートが青く光った。 しかし、ノイズは最後の抵抗をした。
11001010₂ を16進数にしたものはどれか。
ア C6
イ CA
ウ AC
エ 0xACナナは表を書いた。
11001010₂ = 1100 1010 = C A候補を戻す。
C6 = 1100 0110
CA = 1100 1010
AC = 1010 1100
0xAC = 1010 1100「正解はイ。ウとエは前後が逆。アは後半が違う」
ゲートが大きく開き始めた。 だが、黒いノイズが人の声のように歪んだ。
> 正解率:上昇 > 理解率:未測定 > 推奨:暗記モードへ移行
ナナは初めて、その声に怒りを覚えた。
「違う。私は、選びたいんじゃない。分かって選べるようになりたい」
アイリが静かに頷いた。
「それが、この街の入口を本当に開く条件」
Traceがこれまでの記録を並べた。
重みを書く。
右から読む。
単位を見る。
4bitで区切る。
基数を見る。
候補を戻す。
誤答理由を言う。Bitの通信ランプが、これまでで一番明るく光った。
「第1章、復旧完了。次は、負の数をどう表すか。符号の影と補数の迷宮です」
ゲートの向こうには、反転したビット列が影のように揺れていた。 そして、その影の中で、Bitによく似た黒い小さなロボットが振り返った。
0011 → 1100 → 1101章内の各話で扱う考え方を、短い手順として先に見渡します。
2進数、ビット、基数変換は、コンピュータが情報をどう数えるかの入口です。 数字・集合・論理を、コンピュータが扱える形へ置き換える単元です。
重み、条件、全体と部分を先に書き、式や図へ変換してから選択肢を見ます。
2進数の各桁は右から 1, 2, 4, 8... の重みを持ちます。10進数は、この重みの足し算で表せます。
13なら、まず8を使う。残り5に4を使う。残り1に1を使う。だから 8,4,1 の桁が1になります。 手を止めず、途中式や表を1つ残してから答えを選びます。
記号だけを暗記すると、基数変換や集合の境界で1つずれます。 1101 は 8+4+0+1 = 13。変換した後は、必ず戻して確認するとミスが減ります。
問題文に2進、論理式、確率、集合が出たら、まず小さな表か図に戻します。 最後にミニゲームで同じ考え方を使い、過去問へ橋渡しします。
1自分の言葉で「2進数、ビット、基数変換は、コンピュータが情報をどう数えるかの入口です。」を1文で説明できる。
2問題文を見たとき、重み、条件、全体と部分を先に書き、式や図へ変換してから選択肢を見ます。 と判断して手を動かせる。
3よくあるミスとして「記号だけを暗記すると、基数変換や集合の境界で1つずれます。」を避けられる。
基礎理論は、問題文を図・表・流れに置き換えると、暗記より安定して得点できます。
大きい桁から使える重みを選び、最後に足し戻して検算します。
8+4+1
通信塔のロック番号 13 を2進数に変換してください。
正解だけでなく、途中の根拠を残す練習です。
10進数 13 を、8・4・2・1 の4つのランプで表してください。
2進数の重みは右から 1,2,4,8。1101を 1+1+0+1 と読まないようにします。
13から8を引いて5、5から4を引いて1。残りを書けば、2を誤ってONにしにくくなります。
答えを出したら 8+4+0+1 に戻します。検算できる形にしてから選択肢を選びます。
12進数の桁の重みを右から4つ言う。
210進数 11 を 8・4・2・1 のランプで表す。
31101 が 13 になる理由を足し算で説明する。
ミニゲームの前に、この章だけを短く確認する章末任務の前に、5問でコマンドを確認する
物語と小テストまで進めたら、ここで理解度を確認して章完了物語と小テストを越えたら、ここで正解して章クリア
通信塔のロック番号 13 を2進数に変換してください。
勝利条件: 条件を満たす答えを選ぶと章クリア。基礎理論の単元別演習が進めやすくなります。章の手順を、本番形式へ移すための復習ルートです。
科目Aでは、問題文の中から「基礎理論」の合図を拾うことが最初の得点源です。
問題文に2進、論理式、確率、集合が出たら、まず小さな表か図に戻します。
迷ったら、用語の暗記ではなく、章で使った図・表・手順へ戻します。
クリア後は単元10問で、同じ考え方が別の過去問でも使えるか確認します。
まず「基礎理論」で何を扱うかを、自分の言葉で一文にします。
重み、条件、全体と部分を先に書き、式や図へ変換してから選択肢を見ます。
作る答えの理由を、選択肢を見る前に途中式・表・ログで説明します。
記号だけを暗記すると、基数変換や集合の境界で1つずれます。
章クリア後に単元10問を解き、同じ考え方が別の文章でも使えるか確認します。
問題文から「基礎理論」の合図を1つ抜き出し、使う図を決める。
答えを選ぶ前に、根拠を1行だけ書く。根拠が書けない時は図解ノートへ戻る。
「1011」がなぜ違うかを説明する。消去法の理由まで言えたら本番で強いです。
最後に過去問の文章へ戻り、章のミニゲームと同じ判断手順で解けるか試します。